今を生きる人々と育む地域芸能の未来 キックオフ・フォーラム

インフォメーション

日時 2019年7月13日(土) 14:00~17:00 開場13:30

会場 沖縄県立図書館 3階ホール(那覇市泉崎1-20-1)

参加費 無料(要事前申し込み)

申し込み方法
氏名、メールアドレス、所属(任意)を明記し、専用メールアドレス(event2019copam@gmail.com)よりお申し込みいただくか、下記専用フォームよりご登録ください。
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概要

急速に変化していく地域社会の中で、わたしたちは地域芸能の持続可能な未来をどのように描いていくことが可能なのでしょうか。
「今を生きる人々と育む地域芸能の未来」プロジェクトの第1弾となるキックオフ・フォーラムでは、沖縄の地域芸能の未来を想像/創造するために、次の2つのテーマを取り上げます。

第1部では、東日本大震災の被災地である宮城県沿岸部地域で地域芸能の再生にかかわる人々の取り組みについて取り上げます。未曾有の大災害を経て、地域芸能の営みがコミュニティの維持や再生にどのような役割を果たしてきたのか。また、その中で、地域の担い手や、行政、学校、また研究者といった様々な立場の人々がどのように関わり合いながら、持続可能な地域芸能・地域社会のあり方を模索しているのか。宮城県沿岸部での調査に関わってきた2人の文化人類学者(高倉浩樹、呉屋淳子)の報告から考えていきます。

第2部では、アーティストが地域の音楽文化と出会うことによって生まれる創造的また社会的な可能性について考えます。「クレオール・ニッポン」「歌う!おおいた」などのプロジェクトを通じて、地域で人々によって歌い継がれてきた「うた」と出会い、その「記憶」を掘り起こす活動を続けている音楽家・松田美緒と、彼女の活動を取り上げた映像民族誌「めばえる歌ーー民謡の伝承と創造」を制作した映像人類学者・川瀬慈のトークを通して、伝統と創造が交流する場としての地域芸能の現在について考えます。

地域芸能の未来について、ともに考え、アイデアを交換し合い、学び合いたいと考えているみなさんのご参加をお待ちしています。

プログラム

14:00~14:50
第1部 被災地からの問いかけ
―変容するコミュニティと地域芸能の「未来」(高倉浩樹、呉屋淳子)
15:00~15:50
第2部 地域の音楽文化とアーティストが出会うとき
―地域芸能の継承と創造(松田美緒、川瀬慈)
16:00~17:00
第3部 パネル・ディスカッション

パネリスト

川瀬慈(国立民族学博物館准教授)
1977年生まれ。国立民族学博物館/総合研究大学院大学准教授。専門は映像人類学、民族誌映画制作。2001年よりエチオピア北部の地域社会で活動を行う吟遊詩人、楽師たちの人類学研究を行っている。同時に人類学、シネマ、現代アートの実践の交差点から、イメージや音を用いた話法を探究する。近年はアフリカのストリートで採集した音を流しながら自作の詩を朗読するというパフォーマンスを各地で行っている。近著に『ストリートの精霊たち』(2018年、世界思想社)。

呉屋淳子(沖縄県立芸術大学准教授)
1978年生まれ。沖縄県立芸術大学音楽学部准教授。専門は文化人類学、民俗芸能研究。民俗芸能を創造する「場」としての学校に着目しながら、朝鮮半島(ソウル・全羅南道)、南西諸島(八重山・沖縄・奄美)、東北(山形・宮城)を中心に人類学研究を行っている。近年は音楽・芸能と社会をつなげる研究活動として、民俗芸能を担う人たちが「出会う場づくり」の企画を行っている。著書に『「学校芸能」の民族誌―創造される八重山芸能』(2017年、森話社)。

高倉浩樹(東北大学東北アジア研究センター教授)
東北大学教授(東北アジア研究センター・大学院環境科学研究科)。博士(社会人類学)。専門は生態人類学・ロシア地域研究。近年は、北極域の気候変動、災害人類学研究を行っている。主な著書に『震災後の地域文化と被災者の民俗誌―フィールド災害人文学の構築』(新泉社、2018年)、『震災復興の公共人類学』(東京大学出版会、2019年)、『極寒のシベリアに生きる―トナカイと氷と先住民』(新泉社、2012年)、ほか多数。

松田美緒(音楽家)
ポルトガル語やスペイン語圏など世界中で音楽活動を重ねる、歌う旅人。
2005年ブラジル録音の『アトランティカ』でデビュー。近年、日本内外の忘れられた歌の発掘を始め、14年にCDブック『クレオール・ニッポン うたの記憶を旅する』を発表。16、17年読売テレビ『NNNドキュメント』でその活動を追った番組二作が放映。時空を超えるその歌声には、彼女が旅した様々な土地の記憶が宿っている。
www.miomatsuda.com

モデレーター:向井大策(沖縄県立芸術大学准教授)