開催レポート

地域芸能のマネジメントを設計する 第2回

概要

レクチャー・シリーズ第2回のテーマは「コンタクトゾーンとしての地域芸能」。前半は石倉敏明さんのレクチャー、後半は土屋誠一さんを交えてのトークセッションでした。
「コンタクトゾーン(接触領域)」とは、文化や言語を異にする者同士が接触し、交流し、交じり合う空間領域を指す概念で、また最近では人間と非人間との接触から生まれる文化的事象を示すものとしても使われています。東北と沖縄の事例をもとに、地域芸能と食・農業、非人間の存在(動物、植物、昆虫、神や霊)とのかかわり、地域芸能と現代アートがどのようにコンタクトできるのか、そして東北と沖縄における芸術大学のあり方への問いかけまで、さまざまなトピックをめぐっていきました。「接触領域」から「接触体験」へ、「コンタクトすること」の本質を深く捉える濃く充実した講座となりました。

プログラム

1コマ目(10:00〜11:30)レクチャー「コンタクトゾーンとしての地域芸能」(石倉敏明)
        ――休憩(11:30~12:30)――
2コマ目(12:30~14:00)トークセッション 石倉敏明×土屋誠一(司会:向井大策)

photo:當麻妙photo:當麻妙

石倉敏明(秋田公立美術大学准教授) photo:當麻妙石倉敏明(秋田公立美術大学准教授) photo:當麻妙

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土屋誠一(沖縄県立芸術大学准教授) photo:當麻妙土屋誠一(沖縄県立芸術大学准教授) photo:當麻妙

インフォメーション

第2回「コンタクトゾーンとしての地域芸能」
日時 2019年10月5日(土) 10:00〜14:00


場所 沖縄県立図書館 4F交流ルーム


講師 石倉敏明(秋田公立美術大学准教授)

   土屋誠一(沖縄県立芸術大学准教授)

【講師プロフィール】
石倉敏明

秋田公立美術大学アーツ&ルーツ専攻、大学院複合芸術研究科准教授。環太平洋の比較神話学に基づき、インド、ネパール、東北日本各地で「山の神」神話調査や宇宙論研究をおこなう。近年は秋田を拠点に、同時代のアーティストとの共同制作を実施。2019年にはヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」に参加。 共著に『野生めぐり 列島神話をめぐる12の旅』、『人と動物の人類学』、『Lexicon 現代人類学』など。

土屋誠一

1975年生まれ。多摩美術大学美術研究科修了。沖縄県立芸術大学美術工芸学部准教授。著書(共著)=『Critical Archive vol.3 批評 前/後 継承と切断』(ユミコチバアソシエイツ、2017)、『現代アート10講』(武蔵野美術大学出版局、2017)、『絵画検討会2016』(アートダイバー、2017)。